千里眼は、水野美紀、黒木瞳の映画版「千里眼」から入った。 小学館の千里眼を読んだ時は、多少設定が無茶だと思ったものの面白く読んだものだった。今回、角川書店から新・千里眼シリーズがはじまり、最新作のシンガポール・フライヤーまで読破している。そんな大ファンなのだが、改稿された千里眼 完全版には手をつけていなかった。小学館の千里眼には、ハードカバー版千里眼シリーズと文庫版千里眼シリーズという細部が違うシリーズが存在していたせいで、その程度の違いと甘く見ていたためだった。それが今回。完全版を読んで考えを改めさせられた。大筋は同じだが、話しの繋ぎ、設定が一新され、シリーズの後半に登場する重要キャラが登場するなどして、全くの新作となってパワーアップしている。新シリーズは、隔月刊行という驚異的な早さの発売を続けている弊害で、ヒロイン岬美由紀活劇となり、ストーリーより、岬美由紀の活躍を楽しむモノに変質しているし、性的要素も盛り込まれてきて、ストーリーの伏線の薄さをカバーしている形になっているが、完全版では、純粋にストーリーを楽しみつつ洗練された岬美由紀の活躍を楽しめる最高傑作になっている。新シリーズを貶しているようだが、客観論であり、ストレートなストーリーが娯楽性を増して爽快感を感じて好きである。逆説的にいうと、ストーリーの重厚が減っているので松岡ワールドの巧妙な伏線が好きなファンには大不評だと容易に想像がつくが、返って不評される「千里眼の教室」のような作品(後日レビュー)は、修学旅行や文化祭前日、台風の日という、子供の頃に、ワクワクした要素がサスペンスの要素にしてあり、好きな作品である。
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